2007年6月アーカイブ

Know-howとKnow-who

2007年問題が現実化し、団塊の世代の退職が始まった。

我々がお手伝いをするクライアントからも「ベテラン社員のKnow-howの継承」についてのご相談を頂くことが多い。色々な取組みをされているお話しを伺うが、先日身近な所でも同じようなKnow-howの継承についての話を聞いた。

個人的なつきあいのある、コンビニエンスストアにおいて店舗を任されている友人がいる。
彼はコンビニエンスストアで働きはじめてから10年ほどになり、最近は店舗を増やしていくために若手メンバーの育成に力を入れている。

先月、今まで店を任せていたスタッフを他の店舗に異動させ、彼自身が店舗経営を行うことになった。
驚いたことに彼が店舗経営を行ない始めてからわずか1ヶ月余りで店舗の売上が1日あたり10万円近く伸びたらしい。
今迄が悪かったわけではない。彼が店舗経営に直接関わる前も前年対比では100%を越えていたのだ。コンビニエンスストアにおいては、これだけの急激に売上を増加させるのは非常に難しいとされている。

当然私は彼に聞いてみた。
「どうしてあなたがやり始めたらそんなに売上があがったの?」と。

彼の答えは「よくわからない。指揮している人が違うとしか言いようが無い」というものだった。
人が違うから結果が違うのは当然だ。しかし具体的な行動としては何が違っているのかが気になり、再度質問した。
「指揮の違いはわかるけど具体的にどんなことが違うの?具体的な行動が違うから結果として売上が伸びているんでしょ?」

しかし彼からの答えは以下のようだった。
「具体的に何を変えていると言われても私がやっているとしか言いようが無い。」
「今やっていることは既にしっかり教えているし、私が関わる前にも出来てはいたんだよね。でも私がやるとより良くなるんだよ。」

彼の感覚では、既に自分自身のKnow-howは概念化され、マニュアルのような形で伝えられているらしい。

「どう行動するか」、というKnow-howは既に浸透しているのであろう。
しかし、それだけでは結局同じような結果は出せない。
「どうしてそのKnow-howは産まれたのか。」「Know-howを産み出した人はなにを目指しているのか」といったKnow-who、すなわちKnow-howを産み出した人の背景に対しての理解があってこそKnow-howは活きてくるのだろう。

Know-howの共有という話はどこでも言っている。
しかしKnow-howの伝承に本当に必要なのは、その人が何を目指し、何を感じて行動してきたかという「Know-who」の共有なのではないだろうか。

6月22日(金)に特定非営利活動法人 日本リスクマネジャー&コンサルタント協会(http://www.rmcaj.com/)様との共同開催のセミナー「組織風土変革のためのマネジメント?内部統制の本質的課題?」を実施させていただきました。

お忙しい中ご参加いただいた方々、ありがとうございました。

次回は8月21日(月)に日本リスクマネジャー&コンサルタント協会様との共同開催を予定しております。詳細が決まり次第、ご報告させていただきます。

公開セミナーのご案内

公開セミナーのご案内を更新致しました。

特定非営利活動法人 日本リスクマネジャー&コンサルタント協会(http://www.rmcaj.com/)様との共同開催のセミナーとなっております。
6月22日(金)の開催です。

お問い合わせはTEL: 03-3497-5033、またはメールseminar@cci-network.comまでお願い致します。

ご参加を心よりお待ちしております。

目的と手段

ここ1ヶ月、先月から入会させて頂いた、ドラッカー学会からの学びが大きい。
恥ずかしながら、今迄ドラッカーには、本格的に接した事は無かった。今、時間を見つけてはドラッカーの著作を読み漁っている。

ドラッカーの著作に触れて、自分の問題意識と余りにも一致してしまうので、返って気持ち悪さを感じる事もあったが、ドラッカー学会との御縁のきっかけとなった、上田惇生先生の講演の「それぞれのドラッカー」という言葉を思い出して、納得している。

今抱えている問題意識の一つとして、組織の中の個々が自分の与えられた領域での成果を全うしようとする余り、全体が見えなくなり、その事が組織全体の成果にはマイナスの貢献をしている事が挙げられる。
外部の方から話を伺う中で、その人としてはベストを尽しているのだが、一歩引いてみると、顧客にとっては何等価値が無いのではないか、と感じる事が増えてきている。

ドラッカーの言葉を借りれば、組織を構成する個々が、「社会に対する貢献」ではなく、「組織自体の存続」に対して貢献する事を目的としてしまっている例が増えてきているのではないだろうか。

ドラッカーは組織は「目的」ではなく「手段」だと言う。
そして組織にとって「利益」も「目的」ではなく「条件」だと言う。
あたりまえにしか聞こえないかもしれないが、普段の忙しさの中で、皆、あたりまえを見失っているように感じる。

社会への貢献とは、その社会を構成する個々人への貢献である。
そう考えると、組織の中で働く自分自身も社会を構成する一要素である。
組織を構成する個々が自分にとって価値ある社会を思い描き、自分自身の言葉で語り始める事が、組織を変え、社会を変えていく第一歩になる。
組織の中で、自分自身にとって価値ある社会を描き、語る時間を作る事こそが、今の企業が必要としているものではないか。

今日は、ドラッカーの勉強会に参加させて頂ける事になった。
勉強会という場を通じて、自分自身の価値ある社会を語り、そこから新しい気付き、学び、そして価値を産み出す事に繋がるのではないかと楽しみにしている。

そして我々も、今以上に企業に対して、企業の中で個々が自分自身の価値ある社会について語る事の出来る場を作っていかなければと思う。

公開セミナー開催を控えて

「風土変革の公開セミナーを共同で開催しませんか?」

日本リスクマネージャー&コンサルタント協会のご担当者から声をかけていただいたのは、昨年の夏過ぎのことだった。

当協会は、リスクマネジメントにかかわる人材育成や研究及び情報提供を専門に行っているNPOであり、毎年発表されるオブ・ザ・イヤーで有名な法人だ。
オブ・ザ・イヤーとは過去一年間にリスクマネジメント分野で活躍した個人や団体を表彰する賞で、2003年にはタレントの爆笑問題が「ハインリッヒの法則」の出版を通じて受賞した事で有名になった。

法改正や労使マインドの変化によって、企業では「どうリスクを回避するか」が重要な経営課題になってきている。

そのために、精緻なリスクマネジメントシステムの構築や、財務・法務面の知識とスキルの向上に日々取り組まれている方々も多いだろう。
しかし、最後にその組織に属する人の行動を決定付ける黙示的規範の問題が残ってしまう。いわゆる「組織風土」をどうするかが最後に解決すべき問題になる。

協会のご担当者からも「CCIの行っている組織風土変革は、内部統制の6つの基本的要素の中の“統制環境”そのものにメスを入れるものだ。“統制環境”はいつも手付かずになりがちでジレンマを感じていたんです。」とおっしゃっていただいた。


ところが、困ったことに、弊社ではもともと「公開セミナー」をやることが稀だった。何故なら、組織変革においては、個々の企業の特性(事業構造・組織構造・規範・等)が大きなファクターとなるからだ。
とても不特定多数の受講生に一律に説明できるのものではないと考えていた。

しかし、改めて考えてみると、規範というのは、集団が出来た瞬間に誕生するものだ。初めて出来た集団でも、誰かの一言でその集団の規範が決まってしまう事は何度も経験している。
公開セミナーに初めて集まった受講生であっても、特有の黙示的規範があるはずだ!
そうであれば、その受講生が生み出した規範を題材にして、風土変革の考え方を学ぶセミナーは実現可能なはずだ。

こうして何度かの試行錯誤の上、「受講生完全参加型」の組織風土変革セミナーが誕生した。
完全参加型だから、受講生の方は当然眠くなる暇もない(笑)。
おかげさまで、昨年秋より何回かの実績を重ね、その中では「とても楽しかった。」「自分自身の枠組みに気づいた」といったご評価をいただけている。
我々も学ばせていただいており、異なる組織文化を持ったメンバーが集まって出来上がる規範はM&Aや中途入社時の風土融合のヒントとなっている。


今月も間もなく、公開セミナーの開催がある。今回も、業界も年齢も違うメンバーの申し込みをいただいている。
実は、誰よりも開催を楽しみにしているのは、講師をさせていただく我々自身かもしれない。


なお、今月の公開セミナー「組織風土変革のためのマネジメント?内部統制の本質的課題?」は6月22日(金)の午後に開催になります。
まだ申し込みは受けて受けておりますので、詳しくは下記のアドレスをご覧ください
公開セミナーのご案内

また、日本リスクマネージャー&コンサルタント協会のページからWeb上で申し込む事も可能です。
セミナーご案内・お申し込み

リーダーとフォロワー

ここ最近、我々のお手伝いする企業からも、若手育成・若手リーダー強化というテーマが挙がってくる事が多くなった。景気を反映して、今期の業績だけでなく数年先を見据えた施策を打てるようになってきたのだと感じられる。
今求められるリーダーとは何なのだろうかと考えながら、スポーツニュースを見ていて、気付いた事がある。


日本記録となる25年連続でAクラスを記録していた西武ライオンズが、今年は6月9日時点でパリーグ5位、交流戦最下位と悲惨な状況に陥っている。長年の一ファンとして辛い日々が続いている。
大きな原因としては、支柱となる松坂大輔が移籍してしまった事だろう。彼が在籍していた8年間の活躍は数えきれない程あった。「困ったときの松坂頼み」、「松坂なら何とかしてくれる」という絶大な信頼があった。
しかし、結果としてチーム内に松坂に依存する雰囲気が出来てしまっていたのではないだろうか。


改めて今の西武を見ると、松坂大輔の変わりになる選手が見当らない。本来であれば松坂と同世代の選手が中心となってチームを盛り上げていかないといけないはずだ。
そういった選手が居ないことは、チームが松坂に依存していた結果なのではないか。

勝負なので、結果が出る時も出ない時もある。しかしファンとして悔しいのは今の西武からは「勝ちたい」という気持ちが伝わってこないことだ。
今の現状を「変えていこう」というリーダーシップを発揮しているチームリーダーがいないようにしか見えない。


突出したリーダーを中心に結果を出していくことや、良質な製品やサービスをキラーツールとし、拡大していくことは重要である。しかしそれだけでは何かあった時に組織が瓦解してしまう。リーダーを育成すると同時に、それを支えるフォロワーも依存体質に陥らない組織風土を作る事が、組織成長には大切だと改めて感じた。

単にリーダーを作るだけでは組織は成長しない。