ザ・マスミサイルというバンドをご存知だろうか?
彼らの「今まで何度も」という曲のPVには部下からは仕事を押し付けられ、上司からは提案を厳しくつき返される会社員が出てくる。
自棄酒に逃げかけた彼だったが、最後のシーンでは、もう一度ビジネスバックを持って、胸を張って会社に向かいなおすのだ。漫画や映画のように、決して最後に逆転して成功するわけではない。しかし、「諦めることをやめる」という選択肢を選ぶ。
最近テレビでは某食品会社の不祥事の記者会見がよく流れている。
それを観ていて、「組織スキーム・役割スキームの怖さ」というのを実感した。事件のキーを握る管理職が、この期に及んでも「社長が悪い」と言い切ることができない。会社は消滅するかどうかの瀬戸際であり、その責任が自分1人に押し付けられる、そのギリギリの場面なのだ。その瞬間であっても、彼にはトップの問題を指摘することは出来なかった。
やがて、記者の執拗な追及を受けて、彼は沈黙の後に搾り出すように言った。
「社長は雲の上の人ですから・・・。」
我々は、ミドルマネジメント層のミーティングのお手伝いをすることも多い。
彼らは、最も「組織の枠組み」に縛られてしまっていることが多い。
ミーティングの中でも「自分はかくありたい」「組織はこうあってほしい」という純粋な想いと、「自分に出来ることなんかたかが知れている」「うちの会社って、こういうものだ」という諦めの気持ちが交差し葛藤する。
葛藤の中で諦めの気持ちが勝りそうな時に、よくさせていただく質問がある。
「自分の子供を、今のままのあなたの会社に入社させたいですか?」
コンプライアンスや内部統制などの問題の前に、個として「最小限守りたいプライド」を根底に置いた時、自ずと見えてくる組織の問題と言うものがある。
今まで何度か、そうしたプライドのために、リスクを張って立ち上がった管理職を見てきた。
「今のままじゃ自分が満足できない。」という強い感情に火がついたとき、周囲を巻き込み、改革の第一歩が始まる。
諦めることをやめた方々には、我々も心の底から全力で応援しサポートをしてしまう。
もしかしたら、そういう人に出会うために、この仕事をしているのかもしれない。
