先週、ヒューマンキャピタル2007というイベントに参加した。今の企業の人材に対する意識や、それを解決するソリューションについてのリサーチのためだ。
そこで、株式会社 イマジナの奥山社長のワークショップに参加し、非常に印象に残る言葉を聞いた。
奥山さんはアメリカのニューヨークで人事管理コンサルティング・サービスを手掛け、その経験を日本で展開されようとなさっている。日本企業が海外に展開していく際の障害を除いていくサポートで評価をされている。ワークショップで伺ったお話も、アメリカでの採用は今どうなっているか、という内容だった。
その中で印象に残ったのは、「グローバル化とは何か」という定義である。
非常にシンプルで、「グローバル化とは、違いを知り、認める事」である。
シンプルではあるが、そこから様々な事を感じさせられた。
日本が海外に出ていく時に戸惑うのは、生活の中での習慣や、仕事の進め方、取り組み方という「文化の違い」だ、という話を良く聞く。
その「違い」に接した時、往々にして、「どちらが合っているのか、どちらが間違っているのか」という悩みを抱えてしまう事が多いのではないか。
しかし、お互いが今迄の歴史や経験の中で培ってきたものが間違っている事は無い。
そこで、「違いを知り、認める」事が共に働いていく時には重要になってくる。
同じ様な出来事が、我々の企業に対するコンサルテーションの中でも起こっている。
企業の問題解決には、いくつものステップがあるが、一番核になるのが、「問題とは何か」を定義する事になる事が多い。
例えば、経営者・管理職は「決まった戦略を実行していく意識・スキルが無い事が問題だ」と言い、一般職・若年層は「戦略自体が決まっていない事が問題だ」と言う。
このような状況では、何をする事が問題解決になるのか分からない。
何故そのような問題の捉え方の差が産まれるのか。
それは、「何故それを問題と考えるのか」という背景が共有されていないからだ。
経営層は、会社全体の経営を見て問題を定義する。一般層は顧客と直接接した中での感じている問題を定義する。
どちらかが間違っている訳ではない。背景まで含めて話し合う時間を持てば、双方が納得する事が大半だ。
では何故そのような問題が起こってしまうのか。
それは、「自分が考えている事は、相手も考えているに違いない」という思い込みが働いているからではないか。特に日本人は同質的な集団の中で過ごす時間が長く、「一を聞いて十を知る」環境に慣れてしまっている。そして、企業においてはその環境が今迄の成功の源泉になっている。
しかし、これからの社会において、本当に価値を産み出していくのは、異質な考え方がぶつかり、双方が共感を得る新しい観点を築けた時だ。
自分自身も「違いは認めなくてはいけない」、と思ってはいるものの、ついその手間を惜しみ、「分からない相手が悪い」と責任転嫁してしまう事がある。何度も経験してはいるが、その違いを確認するためにヘトヘトになる事も多いからだ。
今回は、改めて「違いを知り、認める」事が、実は組織の成長・成果への近道だという事への確信を持つ事が出来た。その事を忘れずに精進していきたい。
