先日のドラッカー勉強会の中で、ドラッカーがコミュニケーションについて語っている言葉と出会った。
ドラッカーはコミュニケーションを以下のように定義している。
(1)知覚であり、
(2)期待であり、
(3)要求であり、
(4)情報ではない
コミュニケーションと情報は相反する。しかし両者は依存関係にある。
我々がお手伝いしている企業の中でも必ず出てくるのが、「組織の中でのコミュニケーションが取れていない」という問題だ。
問題の本質は企業や組織にとって様々だが、共通していると感じる原因がある。
それは、コミュニケーションを「単なる情報伝達」と捉えている事だ。
先日もある企業を訪問した時に、担当者の方からこんな話を伺った。
「今、開発部門から営業に対しての教育を実施しろという要求が来ているんですよ。
でも開発部門の人達は『売上数字が落ちている』という結果だけを見て言っているんです。
数字だけ見て営業部門の人達に教育の話を持っていったとしても、『何を見ているんだ』と言われてしまうだけですよね。」
営業部門は営業部門として、市場の変化や顧客の変化に対応するため、必死になっている。それを見ずに批判だけしてもお互い不満が残るだけだろう。
情報化社会となり、電子メールでやりとりする事が増えてきている。
データ化しやすい、業績や経営状況については、特に迅速に共有されているだろう。
しかし、それらはあくまで「情報」であり、そこにはドラッカーの言う「期待」や「要求」は含まれていない。
それどころか、データが大量に共有される事で、「知覚」すらされていない事もあるのではないか。
「コミュニケーションを成立させるものは受け手である」とドラッカーは言っている。
情報共有、意思疎通というのは、実は発信ではなく、どう受けとってもらえるかに価値がある。
そして、相手がどう自分の発信を受信しているかは、リアルタイムでのやり取りで感じるしかない。
我々のお手伝いでは、まさに「期待」「要求」を「知覚」してもらう、ドラッカーの言う「コミュニケーション」が成立した瞬間を作っていく事が鍵になる。
改めて自分達の取り組んでいる事の価値に確信が持てた。
