これからの大学のあり方

最近、ニュースでは学校教育を扱う事が増えている。
先日も、『文部科学省が大学の入学時期を原則4月から、年内にも完全に自由化し、各大学の判断に委ねる方針を決めた。』というニュースがあった。
海外に比べて外国人教員や留学生の受け入れが遅れており、その要因が4月入学となっているかららしい。文部科学省のねらいとしては、入学時期を自由化する事で、優秀な学生や研究者を日本に呼び込む環境を整えたいようだ。

この方針自体は、今後色々な場で討議されていくのであろう。少し考えただけでも、入試や国家試験の日程など様々な調整が必要になってくる。卒業後の就職に関して企業側の対応も必要になってくる。

何人かの大学教授に話を聴いてみたが、前述の理由などで否定的な意見が多かった。
大学は世間で考えられている以上に事務的な仕事が多く、「これ以上事務的な仕事を増やさないでほしい」というのが本音のようだ。
しかし、それを聞いてなぜか釈然としない気持ちであった。

しばらくして、なぜあの時に釈然としなかったのか気が付いた。
「出来ない」ことが前提になった話なのだ。
あの時聞いた話は、全て現在や今迄の経験を前提にして「出来ない」という結論をどう導くかという理由付けになっている。
そこには「どうしたら出来るのか?」「導入することでどういった大学にしていきたいのか」という視点は感じられなかった。
既存の延長の枠組みしか見えず、変化に対して「自分としてどうしたいのか」が見えなかった事が気持ち悪さの原因だった。

我々がコンサルテーションを行う際にもこういった出来事は起こる。
経営層が示すビジョンや経営指針に対して、「そんな事できるわけないじゃん」と感じたことのある人は多いだろう。
感じる事は別に問題ではない。
しかし、そこからもう一歩進んで「どうしてこれをやるのか?」「実施することで何を目指すのか?」を考えることが重要ではないか。それを考える事で、初めて自分の意志が明確になる。

日本の大学も大きな転換期を迎えている。
文部科学省の方針を実現する過程において、各大学のそして大学を構成する教授や教員が「これからの大学」をどうしていくか、そのビジョンが鮮明になってくるだろう。
どのような大学の姿が産まれてくるのか。非常に楽しみに感じている。

written by F