作ったばかりの方針や計画など、部下から見れば大した価値をもたない。そうした安易な方法よりももっと大切で価値あるもの、それはリーダーの習慣変化である。 リーダーが自らの方針や夢に賭けているのであれば、そのリーダー自身の行為や雰囲気に何か変化が起きる。部下が見ているのはそちらのほうの変化なのだ。そうしたベースの上に言葉や文字が重なったとき、活きた方針書になるのだ。
この文章は数年前から読んでいるメルマガ「がんばれ社長!今日のポイント」からの抜粋である。先日ある研修の中で、この言葉を強く実感したことがあった。
我々の仕事では10月11月とクライアントの階層別研修のお手伝いをする機会が多い。今年も秋の昇格にあわせた新任の管理職やリーダー研修をいくつか実施した。
プログラムの参加者の中でリーダーとしてビジョンが部下や後輩に伝わらずに困っているメンバーがいた。彼の話を聞いているとビジョンをわかりやすく言葉化し、丁寧に伝えているのがよくわかった。我々がお手伝いする際にはここまで整理することができずに困っているメンバーをサポートすることが多い。しかし、彼に関してはどうして周囲がそれに共鳴できないのかが不思議なくらいであった。
しばらく話を聞いているうちに職場での行動についてある傾向があることがわかった。他部門や上司との折衝のプロセスを部下や後輩たちに全く見せていないのだ。彼はリーダーとして、なるべく業務に集中できる環境を作ろうと考え、意図的にそういった面を見せないでいたのだ。
周囲からするとビジョンには共感できるのだが、リーダーである彼の変化が見えないままなのだ。そのために「言っていることはわかるけど・・・・」という状況に陥ってしまっていた。前述のメルマガにあるようなリーダー自身の変化が見えないのだ。
「自分がリーダーとなる前についていきたいと思ったことのあるリーダーってどんなリーダーでしたか?」彼に尋ねてみた。「??」という反応ではあったが、しばらくして彼は「一番印象的な先輩はその人自身が葛藤していることを隠さずに自分にオープンにしてくれていた。上司や関連部門とのやり取りもすべて伝えてくれていた」と返してくれた。
自分で答えながら気付いたのだろう、少し笑顔を見せながら「別に隠す必要はないのかもしれないですね。なんかそういった面を見せてしまうと頼りがいのない人に見えるのではないかと思っていましたがそんなことないですね。」と言った。
ビジョンを伝えることをスキルとして考える人も多い。確かに最低限はわかりやすく言葉化したりすることも必要だろう。しかし、本当に周囲に影響を与えていくためには言葉や数字ではなく行動で示すのが一番なのだ。
プログラム終了後、改めて最近の自分を振り返ってみた。プログラムにおいてメンバーから学ぶことも非常に多い。
written by F
