ドラッカー学会第2回大会から考えたこと

このblogでも何度かご紹介させていただいているが我々が参加しているドラッカー学会の第2回の総会が11月25日に早稲田大学小野記念講堂にて開催された。
今回は約150名ほどの参加者が集まり、「21世紀,あるべき実業の思想」というテーマの基に10名の講演とパネルディスカッションがあり非常に興味深い大会であった。

個人的に一番印象に残ったのはドラッカー学会理事である野中郁次郎先生の「賢慮型リーダーシップと知の方法論」という講演であった。これまでも様々な講演や書籍において「賢慮型リーダーシップ」について発表されておりご存知の方も多いと思う。
恥ずかしながら今回初めて耳にした言葉であったために講演の時には「なるほどなぁ」と聞き入ってしまったのだが、興味深かったので学会終了後に少し「賢慮型リーダーシップ」について調べてみた。

野中先生は「賢慮の基盤となるものは、教養と至高体験である」とし、「マネジメントはScienceであろうとすると同時にArtである」と述べている。
そしてこの考え方の根底にある考え方を「人間理解」と表現している。つまりマネジメントおいてHow toは重要ではあるがその前提には「人間理解」が必要なのだ。

ここにきてようやくなぜ自分が野中先生の講演を興味深く感じたのかがはっきりと理解できた。第2回総会の前にある企業の教育担当者の方と話をしていた時に感じていた違和感だ。
その会社ではかなりしっかりとした教育体系を組んでおり、長期にわたって様々な研修を実施してきている。ここ最近になってマネジメント層において研修後の成果に大きな差が出てきており、解決ためによりスキル的(ノウハウ的)なプログラムを強化していきたいと考えているという話であった。
繰り返し学ぶ場を提供することで身につけられることも多いだろうし、ノウハウが必要なことであることを否定するつもりはない。しかしどうしても1点気になったことがあり、聞いてみた。

「御社の管理職の方々は、部下への期待や興味を持っていますか?」

その方は、しばらく考え込んでしまったのだが、「そこに差があるかもしれない」と話をしてくれた。

ここで知りたかったのは部下の仕事ぶりや業績ではなく、1人の人間として興味や期待を持てているかどうかである。それがない方がどのような知識やスキルを学んでも成果につながることは非常に難しいと思う。このこと自体は別に目新しい話ではない。しかし、職場においてこういったことはよく起こっている。組織の中にいるとそういったことに対して気づきにくいのかもしれない。しかしマネジメントを強化していくとは、こういった基本的なことを自分なりに積み上げていくことで確立するのではないか?

年末になり、来年度に向けて様々な計画を立案する企業が増えていると思う。
改めて自分に問いかけてみよう。

「あなたは○○(部下・社員・自社・顧客など)に興味を持っていますか?」

written by F